対象拡大の「リクエスト制度」に疑問ありと改めて言いたい
早くもうんざりした気分になっている。
今季で導入2年目となるリクエスト制度の運用が見直され、リプレー検証の対象が拡大されることになったのだ。
アウト・セーフの判定のみが対象だった昨季は、それでも、セとパを合わせて494件のリクエストがあった。そのたびに、審判団が集まってバックネット裏のブースに引っ込み、何分も試合が中断する。テレビ中継の解説席で「またか……。間延びもいいところ」と、げんなりしたものだ。
今年からは、危険なスライディングや頭部への死球、フェンス際の打球など3点がリプレー検証の対象に追加される。今季のリクエストの総数は500回を軽く超えるのではないか。試合時間の短縮という球界の一大テーマに逆行する可能性が高いだけに、私はそもそもリクエスト制度には疑問を感じていた。
それで、内輪の席では、こんな極論を披露したこともある。
■ジャッジをAIにやらせればいい
「そんなに審判の目が信用できんのか。なんでもかんでもビデオに頼るというなら、ストライク、ボールのジャッジをAIにやらせればいい。野球で審判が最も多くジャッジするのがストライク、ボールの判定。試合の流れも結果もこれに左右される。やるんだったら、そこに手をつけてみなさいって。それができずに、最も大事な部分を審判に任せるのなら、これまでと同様にアウト、セーフだって審判に託せばいいんですよ」