高卒で異例の一軍帯同 広島小園をコーチ先輩“絶賛”の理由
守備の師匠に指名された田中広は「自分が18歳のときよりすごいと思う」と、こう続ける。
「僕が逆の立場でも(先輩の様子を)観察するし、そういう姿勢はすごくある子かなと。向こうから気になることを聞いてきて、最初はサインプレーの確認が多かったですね。あとは『マツダスタジアムの雰囲気はどんな感じですか?』とか。守備や走塁に影響するので、主に(内野の)土の感じですね。僕が思うことと彼が守って思うことは違うから『実際に守ってみないと分からないよ』とは伝えました。性格は陽気で、負けん気が強くてガッツがある。プロに入ったばかりでも、のびのびとできて自分のパフォーマンスが出せているし、ケガもしない。それが一番難しくて大事なところなので、そういう部分を含めてトータルで見てもすごいなと思います。あとは実戦でどう対応するかが課題になってくる」
■プロ仕様へ「2センチ」のこだわり
担当の鞘師智也スカウトは「感覚が鋭いんです」とこう言う。
「入寮前、ミズノの工場へ行って『小園モデル』のようなバットを作ってもらっています。高校生が使う金属バットは83センチほどが多いですが、小園は『85センチくらい長くないと、しなる感じがしない』と何年もプロにいるようなことを言います。グラブの形も高校生の時から大きく変えて臨んでいるそうです。本人は『プロ仕様』と言いますが、普通は高校時の使い慣れている形とそれほど変えずにまずは入ります。やっているうちに、プロの打球に対応するためにはどういうグラブがいいか分かってくるからです。最初から『こうしたい』というのが分かるのが、小園の感覚なんだと思います」