広島「先発10人構想」は前途多難 畝投手Cからも疑問の声
4度目の正直に向けて本腰を入れている。
リーグ3連覇を果たすも、いずれも日本一を逃してきた広島。昨季も投手力の脆弱さが見え隠れし、535与四球はリーグワーストだった。
投手のアラを打力でカバーしてきたが、昨オフには丸が巨人へFA移籍。リーグトップだった出塁率(.468)、四球(130)のほか、打率.306、39本塁打、97打点をマークした中心選手を失い、得点力ダウンが懸念される。
緒方監督は「先発10人構想」を掲げ、投手陣再建に躍起で、今季一軍に昇格した佐々岡投手コーチも「一岡と中崎以外は先発の可能性がある」と公言。大瀬良、野村、ジョンソンの3本柱に岡田、九里が続き、残りの1枚を薮田、床田、新外国人のローレンスで争わせる構えだ。緒方監督はこれでも飽き足らず、昨季、中継ぎとして53試合に登板したアドゥワ誠(20)まで先発候補に入れているのだ。しかし、畝投手コーチは厳しい現実を突きつける。
「(アドゥワは)高校時代は先発でも去年はずっと中継ぎやったけえ、相当な努力が必要。秋の時点で本人に言い渡して肩もつくってきとるけど、今のままじゃあ球種が少ないので苦しい。カーブとチェンジアップしかないから。スライダー系の速い曲がり球があれば何とかなるかもしれんけど(130キロ台の縦スラは習得済み)。中継ぎから先発への転向で一番しんどいのは、休みながら投げるという部分。中継ぎからすれば“(イニング)またぎ”と一緒。中継ぎの状態のまま先発でやろうというのは甘い考えやと思う」
アドゥワ本人にその覚悟があるかということだ。さる21日に阪神との練習試合で先発した九里、岡田、薮田の先発候補が四球で軒並み自滅した。開幕まであと1カ月。緒方監督の壮大な構想は計画倒れに終わるのか。