4横綱も認めた朝乃山の素質と伸び代 そして来場所への課題
■富山の人間山脈
富山県出身で187センチ、177キロの体格を誇り、ついた異名は「富山の人間山脈」。本場所中、自身が取材を受ける際に座る座布団にも、そう刺繍がされている。
ある親方は「大卒力士は大体、入門した時点である程度の伸びしろがわかるものだが……」と、こう続ける。
「朝乃山だけは正直、どこまで伸びるかわかりませんね。むしろ、まだ三役未経験というのが信じられないくらい。素質という意味では大器も大器。大関、横綱も十分に可能性がある。ただ、この日も大一番で負けたように、プレッシャーに弱い面が気がかり。幕下時代、『成績次第で十両昇進』という場所で、3連勝後にまさかの勇み足で黒星。ショックを引きずって、連敗ですからね」
この日は自身の取組に合わせて日米首脳が来場したため、前の北勝富士―錦木戦が終わってから、延々と立ったまま待たされた。朝乃山は「(来場のタイミングは)土俵入りの時に知らされた」と話していたものの、重圧に屈しやすいだけに、影響があったことは事実だろう。本人も「(始まるまで)遅いな、と思っていた」と話している。