大船渡・佐々木朗希 それでも拭えない肩の“スタミナ不足”
■完封翌日に連投
それでも163キロの佐々木朗希(大船渡)の素質は、部長も含めてだれもが認めるところ。エライさんも「パソコンの数値が飛び抜けてる」なんてゾッコンだ。5月下旬には完封した翌日、連投で5回を投げた。「休み肩じゃねーか」なんて部長は言ってたけど、体力面の不安も解消されたように思う。本当にいい選手はだれが見てもいいんじゃないか。
すると部長は「完封した、連投したといっても、最速は145キロ前後だろう。オレはまだ、肩のスタミナという点で疑問をもってる」と、こう続けた。
「力をセーブして投げているとか、夏の連戦に備えて変化球を磨いてるとかいうけど、163キロを投げられる投手が最速145キロ、平均すれば140キロ前後っていうんだろう。肩肘に不安を抱えているならともかく、松坂にしろ、ダルにしろ、プロで大成する速球派投手は高校時代、肩にスタミナがあった。試合終盤だろうと、150キロ近い速球を投げてたからな。あと1、2回投げれば終わりという意識で自然と力が入るし、しっかりと下半身を使って投げているうちに上体もほぐれてくるもの。担当にはこれまで以上に日頃の練習や肩肘の状態をチェックさせる必要があると思う」
数字に頼ってちゃ、いい選手は取れないというのが信条の部長らしい話だと思ったね。
(プロ野球覆面スカウト)