全英初の当日券なし 史上最大の観客動員に関係者ピリピリ
その一方でイギリスのEU離脱(ブレグジット)問題が、大きな影を落としているのも事実だろう。
ブレグジットの最大の懸案は、アイルランドと北アイルランドの国境問題だ。イギリスがEUを離脱すると、EU圏のアイルランドとは自由に行き来ができなくなる。
そして国境に新たな壁を造る必要も出てくる。壁ができれば、1960年以降、テロなどで3000人近くの人が亡くなった北アイルランド紛争が再燃しかねない、と危惧する声もある。
そもそもEU発足の理由の一つに、この北アイルランド紛争があったともいわれている。
すでに暴動もあり、新IRA(アイルランド共和国軍)を名乗る組織が結成されて、今年4月18日には新IRAメンバーと警察との間で銃撃戦が起きて死者まで出ているのだ。
今年の全英オープンはブレグジット問題で、英本土や欧州からアイルランド海を挟んで、スコアボード、コーポレートテント、巨大観客席などが運び込まれたが、運送ルートに苦労したという。