国際ドラフト実現でも…日本アマ選手“カヤの外危機”の理由
経営者たちは国際ドラフトを導入することで現行のドラフトと同様に、外国のアマチュア選手の契約金額にも上限を設け、機会の均等を進めようとしているのである。
だが、選手との契約に利用できる金額が制約されることには弊害もある。すなわち、各球団はアマチュア選手に対して所定の金額の範囲内で契約金額を提示するために、選手を徹底して比較する必要が出てくるのだ。
■大成した高校生右腕はゼロ
しかも、外国、特にアジア各地にスカウトを常駐させたり派遣する大リーグ球団は減少している。理由は明らかで、アジアの場合、高校を卒業して直接大リーグ球団と契約した右投げの投手で大成した選手が一人もいないことなどから、スカウトをアジア地域に常駐させることに消極的な球団が増えているからだ。
このように考えれば、国際ドラフト制度が実現し、契約金の制約が設けられれば、各球団は費用対効果を重視してアマチュア選手を指名する傾向を強めると予想される。
さらに、国際ドラフトの中心になるのは、日本を含むアジアのアマチュア選手ではなく、各球団のスカウトが常駐するベネズエラやドミニカ共和国の選手とならざるを得ない。