大迫マラソン日本新記録の裏で露呈 陸連“海外進出”の波紋
日曜日(7日)に行われたシカゴマラソンで、大迫傑が2時間5分50秒の日本新記録で3位に入った。
2月の東京マラソンでは設楽悠太が2時間6分11秒で走り、高岡寿成の記録(2時間6分16秒)を16年ぶりに破ったばかり。低迷を続けた日本のマラソンに新しい動きが見えてきた。
大迫は日本を代表するエリートランナーだった。長野県の名門、佐久長聖高校のエースから早大に進み、渡辺康幸前監督の下で2011年に大学駅伝3冠の原動力となって日清食品陸上部に就職した。その日清を1年で退職して渡米、NIKE社のオレゴン・プロジェクトに参加してマラソンに挑戦してきた。昨年4月のボストンの初マラソンで3位、暮れの福岡国際で2時間7分19秒を出し記録更新は時間の問題と言われていた。
オレゴン・プロジェクトは、瀬古利彦のライバルだったアルベルト・サラザールをヘッドコーチに「長距離のボルト」と呼ばれる英国のモハメド・ファラー、米国の長距離ナンバーワン、ゲーレン・ラップを中心にした多国籍軍団で、今回もチームで参加してファラーが優勝、大迫が3位、ラップが5位。アフリカ勢に対抗する唯一の集団として活動している。