米大統領選をも左右する民主党候補と米球界の浅からぬ関係
マサチューセッツ州選出の上院議員であるウォーレンは、自陣営を取りまとめるために、カブスが108年ぶりにワールドシリーズを制覇した内幕を描いたトム・バードゥッチの著書「The Cubs Way(カブスの方法)」を参照しているとされる。「よいクラブハウスの雰囲気はチームが最大の力を発揮するための大切な要素」というバードゥッチの指摘をどこまで生かせるかが、今後のウォーレン陣営の選挙戦を左右するだろう。
16年の大統領選挙で若者から高い支持を受けたサンダースは、バーモント州バーリントンの市長を務めていた1980年代にAA級の球団の誘致を試みているし、今年5月の集会では「大リーグ選手の年俸が数百万ドルなら、教員の給料も引き上げられなければならない」と大リーグ選手を高額所得者の代表として引き合いに出すなど、球界との因縁は浅くない。
ジャマイカ系移民の父とインド系移民の母を持つハリスはジャイアンツを応援していることで知られる。しかし、今年8月にCNNが行った大統領候補による討論会でドジャースの帽子をかぶって登場するなど、カリフォルニア州選出の上院議員であることを印象付けることに余念がない。
自らがLGBTであることを公表して出馬したブーテジェッジは、今年8月に「大リーグに指名打者制度は不要」と発言し、「DH制の導入に懐疑的なナ・リーグのファンの支持を得たいのでは」と臆測された。
(野球文化学会会長、名城大准教授・鈴村裕輔)