自ら引退を申し出 寂しくも美しいメッセンジャーの引き際
ランディ・メッセンジャーまでもが阪神を去ることになった。すでに今季限りでの退団を発表している鳥谷敬、さらには掛布雅之SEAに続いて3人目となる寂しいニュース。しかも、メッセンジャーの場合は今季限りでの現役引退である。
私としては先述の3人の中で、これが最も驚いた。確かに今季のメッセンジャーは開幕から不振続きで、二軍調整も長引いていた。以前に本連載でも触れたことがあるが、衰えの兆候みたいなものは昨年あたりから見え始めていた。
現在38歳。日本人投手に当てはめれば松坂世代の1学年下であり、巨人の岩隈久志と同い年。年齢的には妥当な引き際かもしれないが、それでも昨年はチームトップの11勝を記録し、防御率も3点台だった。藤浪晋太郎や秋山拓巳、岩貞祐太あたりが伸び悩んでいる阪神の先発事情も考えると、まだまだメッセンジャーは虎のエースだろう。そんなエースがたかだか今季1年くらい不振に終わったからといって、こんなにあっさり引退を口にするとは思わなかった。不振の一因とされる右肩の調子が回復し、投球スタイルも多少モデルチェンジすれば、まだまだ数年は先発ローテで活躍できると思い込んでいた。