日本初の8強に大きな壁 サモアの巧みな手さばきと結束力

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不安視されたチームワークも徐々に改善

 これはサモア国内の気象条件と無関係ではない。サモアは年間を通じて温暖な熱帯雨林気候。雨も多く、高温多湿のため、暑さに慣れている上、日本の湿度の高さがプレーに影響しないのだ。

 加えてサモア国内では、ハンドリングを重視している。子供の頃から徹底してボールさばきを叩き込まれていることも、ハンドリングの安定につながっているのだという。

 この日、アルゼンチン戦(5日=東京スタジアム)のスタメンを発表した前日本代表HCで、現在はイングランド代表を指揮するエディー・ジョーンズHCも、滑るボールを警戒。キックに影響が出ているそうで「正確なキックで陣地を獲得することが試合を左右することになる」と話した。

 ノックオン、スローフォワードを犯せば、言うまでもなく相手ボールのスクラムとなる。サモアの強力フォワードにスクラムで押し込まれれば、一気にピンチを招く。ひとつのハンドリングエラーが致命傷になる可能性もある。

 巧みな手さばきに加えて、結束力にも定評がある。

 サモアはイングランドやフランスなどの欧州の他、豪州、ニュージーランドのプロクラブでプレーする選手が大半を占めている。各所属チームが選手の故障を恐れてサモア代表への派遣に難色を示すケースもあって、これまで代表候補選手を招集できず、強化に後れを取った。ラグビー協会の財政難から、日本のように長期間の合宿すら組めず、今大会前には選手側が参加報酬の額を巡って協会側と対立。一時は代表を辞退する選手が続出し、W杯への出場も危ぶまれたほどだ。

 それでもサモア代表は、今年7月下旬から8月上旬のパシフィックネーションズカップでの3試合も含め、ここまで計5試合をこなした。大会前に不安視されたチームワークも徐々に改善されており、決勝トーナメント進出に向けて後がないこともあって、チーム一丸となって臨んでくることは想像に難くない。

 日本代表はサモア戦のスタメンにチームワーストのHE4個のCTBティモシー・ラファエレ(28)、同2個のWTB松島幸太朗(26)の2人が名を連ねた。BK陣のハンドリングがサモア戦の明暗を分けるかもしれない。

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