金田正一さんは繊細で情に厚い人だった…山崎裕之氏が悼む
体を鍛え、食事を充実させ、体調を整える――この3つを大切にする意識が選手に浸透した結果が、監督就任2年目、74年の日本一につながったと思う。
選手に厳しく接する一方で、ケアも大切にしていた。猛練習を課して大声で叱った後に、コッソリ、トレーナーのもとへ足を運んで状態を確認していた。
現役時代に前人未到の400勝を達成。「球界の天皇」というニックネームに象徴されるように豪放磊落なイメージがつきまとうが、繊細で情に厚い人だった。
1年半くらい前だったろうか。千葉のゴルフ場のロッカールームで偶然、お会いして、挨拶をしたのが最後だった。
7月には心筋梗塞を患い、つらい思いをされたとも聞いた。ご冥福をお祈りします。
(山崎裕之/野球評論家・元ロッテオリオンズ)