昨年は指揮官経験者が不人気だったが…新監督の人選に異変
オフに入って最初に行われるのは新監督選びである。メジャーリーグの新監督選びの特徴は、年によってハッキリした傾向が出ることだ。
昨年は「監督経験のないベンチコーチ経験者」が1番人気で、6人の新監督のうち3人がそうだった。その一方、指揮官経験者は不人気で、新監督の座を手にしたのは1人しかいなかった。
このような現象が起きたのは、データを分析して監督に作戦の立案や選手起用を助言するベンチコーチの役割が重要性を増していることもあるが、それ以上に前年までアストロズのベンチコーチだったアレックス・コーラがレッドソックスの監督に就任早々、新思考でチームを蘇らせ、頂点を極めたことが大きい。各球団はそれを見て、二匹目のドジョウを狙ったのである。
では、今年の新監督選びはどうか? 結論から先に言えば、昨年とは真逆の現象が起きた。今年は8球団が新監督選びを行い、すでに7球団が決定。ベンチコーチ経験者はゼロで、7人のうち4人は監督経験者だ。その中にはエンゼルスのジョー・マドン(前カブス監督)とフィリーズのジョー・ジラルディ(前ヤンキース監督)という2人の大物も含まれる。