履けば好記録という打ち出の小槌…厚底ナイキの故障リスク
最大のメリットが体をむしばむことになるかもしれない。
■日本新記録の小椋も警告
2日の香川・丸亀国際ハーフマラソンで日本新の1時間0分0秒で2位に入った小椋裕介(26)は、レースで今話題のナイキの厚底シューズを履いていた。小椋は昨年11月から使用しているシューズの恩恵を認めた上で、「骨盤回りに負担がある。けがのリスクが高い」とも言った。
マラソンや駅伝選手の間で爆発的に普及しているナイキの「ヴェイパーフライ」シリーズは、靴底の厚さが36ミリもある。簡単に言えば、傾斜のある厚いソールに埋め込まれたカーボンプレートが高いクッション性と反発力を生み、それが推進力につながるといわれている。陸上界には「あれは履くドーピングだ」という声もあり、「世界陸連が規制をかけて東京五輪では使えなくなる」との噂が世界中を駆け巡った。
このシューズは市民ランナーにも愛用者が多いのだが、履いているすべての人の記録が伸びるわけではない。