日本の“現役ドラフト”はいかにもみみっちい 40人枠を提案
延期が続く開幕のほかにも、気になっていることがある。早ければ今年7月にも実施されると聞いていた、「現役ドラフト」のことだ。
実現すれば、選手移籍が活性化し、出場機会に恵まれない選手を掘り起こせる。おおいに結構、と期待していたが、このコロナ禍でNPBと選手会の協議がストップしてしまったという。
もともと私はトレード推進派。ベイスターズ監督時代はチームの顔のひとりだった盛田幸妃を近鉄に、若手有望株だった大家友和を米レッドソックスに出した。常日頃、選手を結果的にでも飼い殺しのような状態にしてはいけないと考えていたから、ベイスターズでは出番が限られそうだった2人の放出に迷いはなかった。欲しいという球団があるなら、まだ力のあるうちに移籍した方が本人のためと考えた。
日本ではいまだ、トレードにはネガティブなイメージがある。新聞の見出しに躍る「放出」とか「構想外」という言葉も印象を悪くさせ、球団も二の足を踏む。他球団に移籍して活躍されたら困る、というケチな考えを持つフロントもいなくはないから困ったもの。結果、飼い殺しのような状態になって割を食うのは選手である。そんな不条理をなくすひとつの方策として「現役ドラフト」には期待していた。