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安倍昌彦スポーツライター

1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。

木更津総合・篠木 右腕とボールが吹っ飛ぶような腕の振り

公開日: 更新日:

■課題は「体力と体格」

 今後の課題については、「体力と体格」だと、安倍氏は指摘する。

「体力に関しては、試合では5~6イニング目まではケチのつけようがない投球をするのですが、終盤に差し掛かると球にバラツキが出ることがある。安定して長いイニングが投げられるスタミナを身につけられるかでしょう」

 もう一つの課題、体格面はどうか。

「1年秋、2年夏、2年秋と3回、篠木が投げた試合を見ていますが、マウンドでの後ろ姿を見ても、腰回りや(太ももにある)大腿二頭筋の大きさにあまり変化が感じられない。練習しすぎているのか、体が大きくなりづらい体質なのか、などといろんなことを考えてしまうのですが、何より気をつけてほしいのが故障です。まるで右腕とボールが一緒に吹っ飛んでいくかのような腕の振りは、もろ刃の剣といっていい。故障しないかな、大丈夫かなと、見ていてハラハラするくらいです。そんな未完成の状態だからこそ、大きな可能性と魅力を感じます。体重が75キロくらいまで体が大きくなったときに、どれくらい凄い球を投げるのか。あと4~5キロは球速が増してきて、オリックス山本由伸のように、ストレートで空振り三振を取れる投手になるのではないか――。今後がとても楽しみな投手です」

(次回は桜井亨佑・習志野・一塁手)

○しのぎ・けんたろう 群馬県生まれ。177センチ、68キロ。右投げ左打ち。

【連載】甲子園中止に泣いた高校生ドラフト候補 本当の実力

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