球児は心中複雑…高野連が掲げた甲子園「交流試合」の波紋
11日付のスポニチは、土井校長が「こういう大会が甲子園で開催され非常にありがたい」と述べた上で、「(門馬)監督は喜んでいる一方で、突然の決定に驚いており対外試合の再開などに対しては不安を感じている様子だった」とコメントしたと報じた。
実際、各都道府県の部活動再開日、対外試合解禁日はバラバラ。コロナ禍の状況で、代替大会の決定すらできない都道府県も少なくない。代替大会の開催が決定した県でも、すでに調整などを理由に参加辞退した学校がある。
「コロナ禍で『安心安全』が担保されない場合は、学校として甲子園派遣に難色を示すケースも考えられる」とは、関東地方の高野連関係者だ。
【3】選手は心の底からうれしいと思っているのか
一度は諦めた甲子園で野球ができる――。スポーツマスコミは夢が現実に、歓喜と感謝などと騒いでいるが、肝心の球児からは「全く予想していなかった」「ビックリした」と冷めた声も上がった。
特にセンバツに出場するような強豪校では、複雑な気持ちを抱く部員が少なくない。ある強豪校の野球部長は、「春夏連続で甲子園が中止になり、選手の気持ちの糸が切れてしまっている」と話した。強豪校でプレーする野球エリートは各自、ドラフトに向けた調整をしている。大学、社会人への進路が決まっているケースも多く、すでに次のステージに向けて気持ちを切り替えているのだ。