著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

コミッショナーが人種差別反対運動を静観する米球界の危機

公開日: 更新日:

■トランプ政権の意向を尊重

 一方、大リーグではコミッショナーのロブ・マンフレッドが立場を鮮明にしていない。

 大リーグに占めるアフリカ系アメリカ人の割合は選手だけでなく観客数でも年々低下している。アフリカ系アメリカ人の代わりに勢力を伸ばしているのが中南米の選手であり、客席に増えるのは購買力のある白人の中高年の姿だ。

 どちらかといえば消極的とも見えるマンフレッドの様子は、事態に深く関与すると白人の観客の中の保守層の反感を買ったり、球団の経営幹部にアフリカ系アメリカ人が少ないことや中南米の選手と低額の年俸で長期間の契約を結んでいることを問題視されかねないと懸念しているかのようだ。

 だが、ヤンキースのアーロン・ジャッジ、ジャンカルロ・スタントン、ドジャースのクレイトン・カーショーやデビッド・プライスら球界を代表する選手たちが「差別反対」を明言するなど、球界全体が問題を避けているわけではない。


「今こそ人種にまつわる憎悪を終わらせる時だ」と指摘したマーリンズの最高経営責任者デレク・ジーターの発言も注目を集めている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」