西武また開幕ダッシュ失敗…平静装う辻監督にOBが辛辣評価
昨季のパ・リーグ王者が苦しんでいる。
開幕15試合を終え、7勝7敗1分けの西武。前カードでは、ロッテに6タテを食らった最下位オリックスにも負け越した。
■2年連続の開幕ダッシュ失敗だが…
「去年の今の時期もこんなもんだったから」
と、辻監督は平静を装うが、内心は別だろう。確かに、昨年も同じ開幕15試合で7勝8敗と出遅れたとはいえ、その内容は大きく異なる。
昨季は大宮球場の1試合を含めホーム8試合、ビジター7試合。今季は15試合すべてがメットライフドームと、本拠地で苦戦している。チーム成績も昨季は15試合で86得点、69失点だったのが、今季は同68得点、73失点と悪化している。
西武OBの評論家、山崎裕之氏が言う。
「数字に表れない部分でも不安が大きい。金子や木村といった外野手は球際に弱く、守備面のほころびが気になります。攻撃面では、状況判断ができない選手が多く、走者を出してもなかなか得点につながりません。昨季のチーム盗塁成功率はリーグトップの73・2%でしたが、今季は50%でワースト。機動力が生かせず、盗塁以外でも暴走が多い。つまり、野球が下手なんです。打線が爆発すれば細かな部分を気にしなくて済むのでしょうが、山川が打率・224、森も・255と主軸が苦しんでいる。とはいえ、今のメンバーでは打順もこれ以上はいじりようがない。今季は相当苦労すると思いますよ」
昨季はオフにポイントゲッターの浅村が楽天に移籍。代わりの3番に秋山が入り、金子が1番を務めたものの、これがなかなか機能しなかった。最終的に秋山を1番に戻して安定したとはいえ、開幕15試合までに「2番秋山」を試すなど試行錯誤の連続だった。そんな中でも5割近く勝てていたのだ。
今季はその秋山もメジャー移籍。練習試合で結果を出した新助っ人のスパンジェンバーグを1番に据え、スタメンをほぼ固定しながらも、ホームで結果につながらない。
辻監督が「去年もこんなもん」と言っても、現状を見る限り、その言葉をうのみにはできない。