活動資金なくバイトまで…路頭に迷うアスリートが急増する
東京五輪が1年延期されたことで、代表選手はすでに青息吐息だ。
今年5月に東証1部上場のアパレル大手「レナウン」が倒産。民間調査会社の帝国データバンクの調べによれば、コロナ禍による業績悪化の関連倒産は全国で353社に上る(今月17日時点)。
日本を代表するような企業であっても、人件費削減、支店、営業所の統廃合などのリストラに踏み切るケースもあり、今後は未曽有の大不況を予測する経済学者は少なくない。
東京五輪を前に、個人競技を中心にトップアスリートの多くが、企業とスポンサー契約を交わした。生活費用や活動資金のサポートを受けているが、コロナ不況の影響を受けるのはアスリートも例外ではない。すでに、ロンドン五輪フェンシング男子フルーレ団体銀メダリストの三宅諒(29)は、東京五輪が1年延期になり、企業とのスポンサー契約が終了したことから、活動資金を得るため、宅配のバイトを余儀なくされた。今後は三宅のように自ら汗水たらして働くアスリートが増えるのは想像に難くない。
「かねて東京五輪が閉幕すれば、組織委のスポンサー企業を中心にスポーツ離れが起きると指摘されてきましたが、今回のコロナで拍車がかかるかもしれません。企業からの支援を受けられるのは一部のトップ選手だけで、日本では関心が低い競技の団体、選手は資金繰りに苦労するのではないでしょうか。競技によっては強化が停滞する可能性は否定できません」(スポーツライター・高野祐太氏)
バイトを掛け持ちするトップアスリートが増える――。そんな事態が現実になる。