コロナ禍と国際政治の泥沼化で2022年北京五輪開催も絶望視
東京五輪の半年後、22年2月に開催予定の北京冬季五輪だが、中国は世界中を震撼させている新型コロナウイルスの元凶ともいわれ、米国、豪州などさまざまな国と摩擦を起こしている。インドとは武力衝突にまで発展し、両国から死者を出した。また、香港に対しては今月1日に国家安全維持法を施行し、吸収する体制を整えている。まさに政治の泥沼の中、米国などがボイコットをした80年モスクワ五輪の二の舞いを懸念する声もある。東アジア情勢に詳しいジャーナリストの近藤大介氏はこう語る。
「21世紀ではボイコットは起こりにくい。政治的なメッセージを表すのには有効な手段ですが、やはり『自国の選手たちの夢を潰す』という行為が、SNSの普及した現代では強烈な政権批判につながるからです。代わりに、14年ソチ冬季五輪のように各国の代表が開会式を欠席するという事態は考えられる。また、香港はこれまで『中国香港』として出場しています。冬季は02年ソルトレークシティー五輪からですが、前回の平昌五輪には1人だけと出場人数は多くありません。中国政府は『世界順位で何位以上』など出場にハードルを設け、香港を締め出す可能性はあります」