首位巨人の故障禍は人災か…原監督に「14年前のトラウマ」
■巨人はどこよりも再始動が早かった
コロナ禍の自粛期間中、原監督は「逆戻りせず、3月が終わった状態からスタートすると常に言っている。ゲームをしても、チームで動けると信じている」とナインに伝えたと明かしている。実際、どこよりも早く本格的な練習を再開させたのも巨人だった。5月11日から東京ドームでユニホームを着用。ここから強度を上げていった。前出の高橋氏が続ける。
「原監督の指示はプロとして分からないわけではありません。ただ、いつ開幕するか分からない状況で、3月に開幕するつもりで仕上げた状態をずっとキープしろというのは難しい。今年は練習不足になりがちだが、これはこれで体への負担は大きかったかもしれません」
セではDeNAが5月19日にチーム練習を再開。広島、中日、ヤクルトは同21日にチームで練習を行った。阪神は同23日に2カ月ぶりに実施。巨人の再始動はどこよりも早かった。
ケガ人続出といえば、原監督の2次政権1年目、2006年もそうだった。
4月に貯金12で首位。4月終了時点で2位中日に4ゲーム差をつけて独走態勢に入った。しかし、小久保、高橋由、阿部ら主力が次々と故障離脱すると、6月に19敗、7月に14敗で、8月に最下位に転落するなど、最終的に4位に終わった年だ。原監督はこの時から「うまい選手より強い選手」が口癖になった。油断は禁物ということである。