阪神ジ・エンド…矢野監督の“甘さ”が招いた巨人との決定差
巨人ならコーチを配置転換
矢野監督が「甘い」のはコーチ陣に対してもそうではないか。
例えばチーム失策数は、6日現在、阪神が両リーグワーストの「49」。巨人は同最少の「16」。阪神は失策を犯した北條や熊谷が翌日に早出で守備練習を行ったことがあるが、効果はなく、相変わらず失策数は増加の一途。矢野監督は「うまくなろうとコーチも選手もやっている中、エラーが出たというのは俺の責任」と言うが、一向に上向く気配はない。
前出の高橋氏が言う。
「いつまで経っても改善されないのだから手を打たないといけない。原監督ならコーチに厳しく注文をつけるし、場合によっては配置転換もいとわない。これは常套手段です。だから巨人ベンチは、選手もコーチも勝負に対して厳しさを持つことになる。矢野監督は優しいのかもしれませんが、それだけでは巨人に勝てません」
先日はこんなことがあった。巨人は2週連続で中日・大野雄に完投勝利を許し、ロドリゲスにも分が悪い。原監督は「何か我々の策の甘さというのがあるのかもしれない。選手は懸命にやっている。コーチがどういう指示、正しい指示を出していたのか。コーチに問いたいね」と選手ではなくコーチを責め、3度目の対戦でロドリゲスに土をつけた。担当コーチが「中堅から逆方向」という意識を選手に徹底させ、チーム単位で天敵を攻略した結果だった。
「そもそも矢野監督からは、どういう野球がやりたいのかが見えない。4番のボーアを3試合目に6番に降格させた開幕直後の用兵が象徴的ですが、『守りの野球』を掲げながら捕手をコロコロ代えたり、昨季、12球団ワーストの102失策を記録した拙守も手つかずのまま。メディアの批判を意識し過ぎているのか、采配も用兵も場当たり的。少なくとも原監督は野手の増田大を登板させたように、周りから何を言われても関係ないと、自分の考えを実行している。経験や立場の差と言えばそれまでですが、阪神と巨人には戦力だけではない決定的な差があることを認めざるを得ない」(阪神OB)
ここまでの対戦成績は阪神の3勝9敗。6日は雨天中止となったが、この調子では、巨人のリーグ優勝は早まりそうである。