阪神矢野監督に早くも飛び出す休養説…攻守の采配に大批判
Xデーは秒読みに入ったかもしれない。
6月19日に開幕したプロ野球。コロナ禍の影響により120試合と短いシーズンだけに、1勝の重みも例年以上だ。そんな中、嫌なムードが漂っているのが関西の雄、阪神である。
30日の中日戦は、散発5安打の完封負け。ここまで2勝8敗の最下位だ。矢野監督(51)の采配に批判が集中し、早くも休養説が浮上している。
■継投ミスにボーアの見切り
迷采配の象徴ともいえるのが、開幕戦の継投だ。六回まで巨人打線を4安打1失点に抑えていた先発西勇を、1点リードの七回に左腕岩崎にスイッチ。これで流れが変わり、岩崎は吉川尚に逆転2ランを浴びた。巨人先発の菅野相手に気迫あふれる投球で打線の援護を待った西の好投をフイにしただけに、「あそこはもう1イニング、オレならそうしていたと言い切れる。継投ミスと言わざるを得ない」と、岡田彰布元監督も週刊ベースボールマガジンのコラムで述べていた。
結果論とはいえ、「打ちあぐねていた西を代えてくれたことで、ベンチの士気が上がった」(巨人関係者)と、少なくとも相手を喜ばせたのは事実である。
さらに、年俸2億7250万円で獲得した新助っ人ボーア(32)の扱いにも疑問符がつく。開幕4番に据えた新大砲が2試合無安打となるや、3試合目から6番に降格。26日のDeNA戦では相手が苦手の左腕・今永だったことでスタメンからも外した。
評論家の高橋善正氏は「試合数が143から120に減ったとはいえ、2試合で見限るのは早過ぎる」と、こう言う。
「せめて10試合使って結果が出なければ、4番から降格もいいでしょう。来日1年目の助っ人は、ただでさえ見極めが難しい。それをたったの2試合で何がわかるというのか。高額で獲得した助っ人ですらこんな扱いならば、ほとんどの選手は『ちょっと結果が出なければ……』と不安になる。疑問といえば、日替わり捕手もそうです」
矢野監督は捕手を固定せず、開幕3試合で梅野、原口、坂本の3人がスタメンマスクをかぶった。4試合目からも梅野と原口が日替わりだ。
「私が現役の頃は『捕手はキャッチングがうまければいい』という時代だったが、今は違う。どの球団もデータに基づいた野球を行っているのに、捕手がコロコロ代わるようでは、投手は戸惑う。データへのアプローチ、配球の傾向は捕手それぞれで違うわけですから。どうも矢野監督の采配は行き当たりばったり。選手の不安が不信に変わる日も近いでしょう」(前出の高橋氏)
■問われる統率力
ベンチワークだけではない。今年3月、藤浪晋太郎(26)、長坂拳弥(26)、伊藤隼太(31)が後援者主催の食事会に出席し、コロナに感染した。チームや球界全体への影響を考えない意識の低さには呆れるばかりだが、彼らの無責任な行動は現場監督の統率力にも問題があると指摘するOBもいる。
「星野監督時代には藤浪のような選手はいなかった。星野さんの選手管理は徹底しており、インフルエンザが蔓延していた時期は『人が多い映画館にも行くな』と厳命していた。開幕前に関東でオープン戦がなかった時には、初めての関東遠征が開幕後だと、選手がタニマチに連れ回されて困ると激怒した。阪神の監督ならそこまで考えるのは当たり前です。矢野監督はその当時の主力選手。そうした教えを受けているはずだが、ベンチで大ハシャギしているだけでは監督の器ではない。今の状態が続けば、フロントは早期の休養を考えるのではないか」
西村監督とどっちが早いか
とはいえ、チームの再建を託したはずの金本監督を18年オフに解任してまで後釜に据えた矢野監督だ。めぼしい後任は見当たらない。
「代行なら清水ヘッドコーチや平田二軍監督でもいいが、問題はその後。チーム事情をよく知る岡田や和田(豊)といった監督経験者がその気になるかもしれません」(前出のOB)
ちなみに同じく関西のオリックスは30日時点で1勝9敗。ロッテに6タテを食らうなど、阪神以上にチーム状況が悪い。6年連続Bクラスどころか、昨季に続いて最下位なら、若手育成の手腕を評価された西村監督(60)のクビも危うい。
「矢野監督と西村監督の休養、どっちが早いか」
そんな関西ダービーが話題になるのも時間の問題である。