監督発案の豪州船上パーティーは船酔いと酒酔いのWパンチ
飲みなれない白ワイン
……と、ここで終われば美しい思い出ですが、なにせ揺れる船の上。あっという間にビールは底を突いてしまい、あるのは普段飲みなれない白ワインだけ。もう、船酔いと酒酔いのダブルで大変ですよ。トイレに駆け込む選手がいたかと思えば、その辺で吐いた人もいました。出港前に「絶対に海に飛び込んだり、誰かを突き落としたりしないように」とクギを刺されていただけに、海に吐くこともできなかった。酔って誰かが海に落ちたりでもしたら、それこそ一大事だったでしょう。
このクルージング船によるパーティーの企画立案者、それがボビー・バレンタイン監督(70)でした。確認したわけではありませんけど、少なくとも日本人の首脳陣やフロントには船上パーティーという発想はなかったはず。そんな奇想天外なイベントを企画できたのは、ボビーしかいませんからね。
2005年のロッテはペナントレースで2位ながら、プレーオフで首位ソフトバンクを倒して31年ぶりのリーグ優勝を果たしました。当時は「下克上」などと言われたものです。今年のロッテも目下2位と好調なだけに、OBとしても期待しています。
僕はロッテで長くクローザーを務め、その後、メジャーや巨人などでプレーしました。そうした経験や思い出などを、この連載で振り返っていこうと思っています。
最初にお話しするのは04年から6年間、ロッテで指揮を執ったバレンタイン監督についてです。(つづく)