ボビー監督がグラウンドで「チャチャチャ」を踊った真相
ボビー・バレンタイン監督(70)のモットーは常に「楽しく」でした。
僕が初めてボビーと顔を合わせたのは2004年の鹿児島キャンプ。外野の芝生の上でアップをしている最中に声を掛けられたのです。
そのときのセリフは、「クローザーなんだからもちろん信頼している。楽しく練習をやれていればいいから」というものでした。
楽しく練習……というフレーズは、それまであまり聞いたことがなかったので、「これが外国人監督か」とカルチャーギャップに驚いたことを覚えています。
■日本人の監督には絶対にできない
キャンプでも「楽しく練習して、一日をハッピーで終わりましょう」と選手に声をかけ、シーズンに入っても「優勝しましょう。楽しく勝ちましょう」と、自らのテンションを上げながら選手に笑顔を見せていました。
ある時は試合前だというのに、ボビーの姿が見えない。どこにいるのかと思っていたら、なんと自転車でグラウンド内をぐるぐる走り回っていましたからね。これは日本人の監督には絶対にできない。そんな光景を見た瞬間、「ああ、これがベースボールなんだ」と、不思議と納得した記憶があります。後年メジャーに行ったとき、改めて確信するわけですが……。