ボビーもベンチもボクも笑った 生涯ただ1球のスプリット
チェンジアップはメジャーでは必須の変化球といわれています。2004年に2度目のロッテ指揮官となったボビー・バレンタイン監督(70)が、春季キャンプで「投手陣はチェンジアップを習得するように」と言ったのも、おかしな話ではありません。
でも、僕は「監督、それは無理です」と拒否しました。理由はいくつかあります。言い方は難しいのですが、僕の投げ方ではどうもチェンジアップが投げにくいというのがひとつ。新球習得に乗り気ではなかったのも確かです。僕の球種は直球とシュート、スライダーの3つだけ。この3つを極めようという気持ちが強かった。
キャンプでの投球練習は1日50球と決めてました。1つの球種につき16、17球。もし、新球を会得するとなると1つの球種に費やす球数が減ってしまい、ボールの質も落ちかねない。新しく覚える変化球は重点的に投げ込む必要もあるだけに、なおさらです。そうした説明をし、ボビーにも納得してもらいました。
■2005年キャンプで取得命令