選手に不満を抱かせないバレンタイン監督の「選手操縦術」
2005年のロッテといえば、日替わり打線が知られています。主砲を4番に置かなかったり、3安打した選手が翌日はベンチスタートというケースもありました。
普通、そんなことをすればナインから不平不満が出るものです。
選手の起用法を決める権利は監督にあるとはいえ、結果を出しているのに外される方は面白くないでしょう。場合によってはチームが崩壊してもおかしくありません。
それでも当時のロッテで選手から文句が出たことは、少なくとも僕が記憶する限りなかったように思います。
理由のひとつは、ボビーが外国人監督だということ。
日本野球のセオリーで動いていないので、選手も「まあ、外国人監督だから……」と、半ば諦めていたような部分はあったかもしれません。
ベテランだった小宮山悟さん、初芝清さん、堀幸一さんら、1995年のバレンタイン監督第1次政権時代を経験している先輩方が、ボビーをリスペクトしていたことも影響していたでしょう。たとえ違和感があっても、先輩方が受け入れている以上、後輩は文句を言いにくいものですから。