菅野失う巨人 サイ・ヤング賞級右腕バウアー獲得の現実味
大黒柱の流出がささやかれる巨人にとっては朗報ではないか。
エースの菅野智之(31)が今オフ、ポスティングシステムを利用してメジャー挑戦するのはほぼ確実。プロ野球記録である開幕投手から13連勝した右腕の代わりを務められそうなのはチーム内に見当たらないし、かといってFAもアテにできない。かねて獲得を噂されていた中日・大野雄大(32)は残留が濃厚ともっぱらだ。
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そんな状況下で、海の向こうでは大物投手に動きがあった。FA市場の目玉右腕が早くも今オフの市場に出たのだ。レッズのトレバー・バウアー(29)が日本時間5日、球団から提示された1年約20億円のクオリファイング・オファー(QO)を拒否した。バウアーは今季73イニングに登板して2完封、100奪三振、防御率1・73でサイ・ヤング賞が有力視されている。
本人は「MLB、NPBのオファーはすべて検討する」と表明しているから、つまりは日本球界入りも視野に入れていることになる。メジャー通算75勝(64敗)の右腕は今オフ、レッズを含めた複数のメジャー球団による争奪戦が予想されるとはいえ、日本球界入りの可能性はゼロではない。
■今季メジャーは超大型契約は望めない
今季のメジャーはコロナ禍によりシーズンを短縮した上に、無観客で実施。各球団は大幅な減収を余儀なくされ、FA選手にとってはこれまでの売り手市場から一転、買い手市場に。目玉選手だろうと厳しい交渉が予想されている。
米国は日本以上のコロナ禍で、来季のレギュラーシーズンが通常通り行われる保証はどこにもない。とてもじゃないが昨オフ、ヤンキース・コールが手にした「9年350億円」規模の超大型契約は望めない。
バウアーは29歳。先の長い選手だけに、超大型契約が望めない以上、このタイミングでメジャーに固執する必要はまったくない。コロナ禍に一定の収束が見られ、メジャーが正常化するまでの1、2年は風土や文化が気に入っている日本でプレーすることも選択肢に加えたのではないか。そう考えたとすれば「NPBのオファーもすべて検討する」というのも納得。日本球界を選択肢に入れた時点でカネは二の次という計算が働いたに違いない。