菅野失う巨人 サイ・ヤング賞級右腕バウアー獲得の現実味
DeNAの施設を訪問、日本文化にも関心
バウアーは大の「親日家」を自任し、メジャーでは今季同僚だった秋山、カブス・ダルビッシュ、マリナーズ・菊池らの日本人選手と積極的にコミュニケーションを取っている。
特に日本の野球に強い関心をもっており、昨オフは菊池の計らいもあって来日。自身が毎年のオフ、体のケアや投球の動作解析を行うシアトルのトレーニング施設で交流があったことから、DeNAの施設を訪問、選手たちとともに汗を流したり、投球に関して意見交換を行った。日本の指導者向けに行った講演では、指導者が真摯に耳を傾け、終了後には質問が絶えなかったこともあり、その熱心な姿勢に感銘を受けたという。
「バウアーは日本の野球文化に加えて、生活様式にも興味を持っています。食事に関しては寿司はもちろん、ラーメンや牛丼も好んで食べていて、特に牛丼には目がない。ナイフやフォークではなく、器用に箸を使いこなすなど、異文化を積極的に取り入れようとするだけに、日本の環境に馴染むのに時間はかからないでしょう」(現地で取材するマスコミ関係者)
UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)在籍時は物理学を専攻したインテリ。動作解析の機材を購入、大学で得た知識を生かして変化球の軌道を分析するなど頭脳派として知られる。
「インディアンス時代には監督から降板を告げられたことに腹を立て、外野スタンドにボールを投げ込むなど、気性が激しいとみられているが、実は若手の面倒見がよく、アドバイスを惜しまない。日本の球団に移籍してもナインとうまくコミュニケーションを図れると思う。パフォーマンスを発揮する上で、環境や人間関係は障害にはならないでしょう」(ア・リーグのスカウト)
仮に菅野が今オフ、総額2500万ドル(約26億円)でメジャー入りしたとすると、巨人には約5億2000万円の移籍金が入る。結果として浮くことになる今季年俸の6億5000万円と合わせれば約11億7000万円だ。メジャーのサイ・ヤング賞候補が来季のエースを務めるなら、巨人にとって実力も話題性も申し分ない。