ソフトムーア七回までノーノー快投 報われた6年前のTJ手術

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 ある代理人関係者は「ソフトバンクはちょうどいい時期に契約した」と、こう続ける。

「今年でトミー・ジョン手術から6年半。左ヒジの状態がベストの時期を迎えるからです。あの手術は実戦復帰まで約1年半かかるが、すぐに元通りのパフォーマンスを出せるわけではない。長いリハビリやトレーニングを経てヒジ回りの筋肉が徐々に強化される。15年に同じ手術をしたダルビッシュ(カブス)は今季、球速がアップし、最多勝を獲得した。本当の効果が出るには5年前後が必要なんです」

■理にかなったキャッチボール

 今季までソフトバンクの二軍投手コーチだった久保康生氏が感心したのは、キャンプでのキャッチボールだ。

「彼は左腕なので、ボールを捕ったら、まず左肩を後方に向ける。そこから振りかぶって右足を上げ、胸を地面と平行にスライドさせ、右足に体重を乗せて投げる。無理に体をねじらず、一切の無駄がない理にかなったフォームで丁寧に投げている。若手には『ムーアのキャッチボールをよく見て手本にしなさい』と言いました」

 父が米軍のヘリコプター操縦士ということもあり、7歳から11歳まで沖縄の嘉手納基地で育った。沖縄では野球に明け暮れたらしいが、それから20年後、同じ九州で躍動した――。

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