レイズは裏目に出た継投を貫いたからWSに駒を進められた
レイズはスター選手がいない分、データを活用し、その時その時の対戦における優位性をつくり出すことを目指す。そのためレギュラーシーズン60試合は相手との相性に合わせた60通り、つまり毎日違うラインアップ(打順は59通り。1試合だけ2人の選手の守備位置だけが違った)を組み、9月11日の対レッドソックス戦では1番から9番まで全員が左打者(スイッチヒッターを含まず)というメジャー史上初となるラインアップを採用。プレーオフの間もほぼ毎日違うラインアップで臨んだ。
1番から9番まで打順を固定せず、好不調や相手との相性によって打順を考案するという考え方は、今季レイズに加入した筒香嘉智が1番から9番まで全ての打順で起用された事実が象徴している。
■同じ打者との複数回対戦を避ける
投手起用に関してもオープナーという起用法にも見られる「投手はできるだけ同じ打者との複数回対戦を避ける」という考えは、先発が好投していても早めにリリーフに交代する起用につながった。1度目の対戦よりも2度目、3度目の対戦の方が打者の打率が上がるというデータに基づいているわけで、選手たちも十分理解しているはずだが、ワールドシリーズの勝敗を決した第6戦の投手起用は波紋を呼んだ。