チェンがロッテを自由契約に 巨虎楽“金満”3球団で争奪戦
巨人は先発投手の補強が急務
金満球団となると、まずは2年連続日本シリーズ4連敗という史上初の屈辱にまみれた巨人である。今季の2ケタ勝利は14勝を挙げたエース菅野ただ1人。高卒2年目の戸郷が9勝、新外国人のサンチェスが8勝で続いたものの、今村、田口の左腕2人は5勝、畠、メルセデスは4勝に終わった。その菅野は今オフ、ポスティングシステムを使い、メジャーに挑戦する可能性が高い。球団も容認する方針を打ち出しており、不足する先発投手の補強は急務。そのため、FA権の行使を表明したDeNA井納の獲得調査にも乗り出しているのだ。チェンは中日時代に左腕エースとして計36勝。当時、敵将だった原監督には、この頃のいいイメージが残っている。
■阪神は深刻な先発左腕不足
16年ぶりのリーグ優勝へ向け、3年契約最終年を迎える矢野監督率いる阪神も先発が補強ポイント。自由契約選手として公示された暁には、電光石火で交渉に乗り出す方針を固めている。
今季の先発陣で規定投球回に到達したのは西勇、青柳の2人だけ。秋山は11勝したが、今季左肩の故障明けだった左腕の高橋は来季、1年間働けるか不透明。同じ左腕のガルシアは退団が決まっている。左投手はノドから手が出るほど欲しいだけに、チェンが自由契約になるのを待っていたフシすらある。
巨人、阪神はFA権を持つ中日・大野雄の獲得調査を進めていたが、すでに残留が決定。両球団は大本命に振られた格好で、ここでもガチンコ勝負になりそうな気配だ。
■楽天はリーグ5位の防御率
投手陣の整備が課題となっている石井監督の楽天も虎視眈々とチェンを狙う。
今季のチーム打率、得点数はリーグトップ。一方でチーム防御率4・19はリーグ5位だった。先発(4・29)、救援防御率(4・04)が共に4点台なのはパ・リーグでは楽天だけ。投手出身のGM兼任監督も補強ポイントとして真っ先に投手陣の整備を挙げていて、巨人、阪神といった金満球団に条件面で太刀打ちできる“体力”も持ち合わせている。
台湾出身の左腕を巡り、激しい争奪戦が繰り広げられそうな雲行きだ。