ボロボロの菅野は決勝で10失点 甲子園には届かなかった
桐光学園に敗れた後、隆志氏から電話があった。
「智之は高校からプロに行きたいらしいんだけど、プロ経験者としてどう思う?」
私は忌憚なく、こう答えた。
「スライダーは十分いけると思うけど、横の変化だけじゃプロでは通用しない。縦の変化球がないと厳しいから、大学に行ってからでも遅くないと思うよ」
大学でフォークボール、チェンジアップ、高校時代も使っていたカーブを含め、縦の変化球を磨く。しっかり体をつくり、即戦力になってから挑戦した方が、指名順位は上がるし、契約金も高くなる。「甲子園に出場した」という付加価値もないだけに、「もっと注目されてからプロ入りした方がいい」とアドバイスした。
前年06年まで2年間、中日の捕手コーチを務めた私は隆志氏に「ただし、智之に“これ”をイメージさせて、もしできると言ったら、プロ入りさせていいと思う」と伝えた。「これ」とは一体何か。