女性蔑視発言の森会長を辞任に追い込んだ五輪最大の興行主

公開日: 更新日:

 遅きに失したと言わざるを得ない。国内外から批判の声が出ていた女性蔑視発言の責任を取り、12日の東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の緊急会合で会長職を辞任すると報じられた森喜朗会長(83)のことだ。

 東京五輪の“壊し屋”とも呼ばれ始めていた森会長。2月4日の謝罪会見で潔く辞任を公表していれば、ここまで大事にはならなかったかもしれない。もっとも、IOC(国際オリンピック委員会)でさえ、当初は「問題は解決したと考えている」とのコメントを発表し、不問に付す姿勢を示していたから、森会長本人も「俺は大丈夫」だと思っていただろう。

 だが、そんな森会長の居直る姿勢は皮肉にも、五輪という巨大イベントを操る本当の“興行主”は誰なのかという実情をあらわにする形となった。“興行主”とは、米4大ネットワークのひとつNBCだ。NBCはIOCと、2014年のソチ冬季大会から32年の夏季大会まで約120億ドル(約1兆3000億円)の放映権料を支払う契約を結んでいる。

 NBCは公式サイトで、〈東京五輪のトップである森会長は大坂なおみから性差別に関して非難を受けた。彼は去らねばならない〉と題した記事を意見掲載。〈彼(森会長)は今、五輪の聖火を落とした〉と痛烈に批判。すでに大会開催事態が危ぶまれているなか、“興行主”にとっては、これ以上の五輪に対するマイナスイメージの拡大は避けたかったのだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 3

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  4. 4

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  5. 5

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  5. 10

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ