落合監督は首脳陣と選手の食事会場を分け酒の差し入れも
選手にとっても裏方にとっても、まさに地獄のキャンプだ。気が休まるのは食事の時間くらい。だからだろう。落合博満監督の方針で、中日は監督、コーチ陣と選手の食事会場を別にしていた。
巨人の場合は、キャンプ地の宮崎、沖縄、シーズン中の遠征先も全て同じ場所だ。原辰徳監督はむしろ、そうすることでコーチや選手とコミュニケーションを取っていた。野村克也監督のヤクルトも同じ会場だから、落合中日はかなり珍しい。口には出さないが、食事の時くらいは、監督やコーチを気にしないで、気楽に食べさせたい――。コーチや選手の食事会場には酒が置かれていることもあり、これも落合監督の指示だと聞いたことがある。
■低めの見逃し三振はOK
「目線を上げて低めのボール球は絶対に振るな」
膝より下のボール、特に低めのボール球になるフォークなどの変化球に手を出すなという意味だ。「そのためなら見逃し三振をしてもいい」と言うから徹底していた。落合監督が選手やコーチを怒ることはほとんどない。ただし、守れないと、懲罰交代をさせられることがあった。一方で高めのボール球を振ることについては何も言わなかった。