著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

錦織の順調な復帰を支える新コーチとのさりげない“距離感”

公開日: 更新日:

 フェデラー、ナダル、ジョコビッチの3強の高齢化、ネクストジェンと呼ばれる新勢力の台頭――故障不在中に進んだツアーの混沌を体感できた確信があるから、早い判断もできただろう。

 バルセロナ決勝ではナダルが22歳のチチパスを倒すのに今季最長の3時間38分を要した。セルビア・オープンの準決勝で、ジョコビッチはロシアの新鋭アスラン・カラツェフに3時間25分の激闘の末に敗れた。世代交代の波は来ている。昨年の全米優勝のティエム、6大会優勝のルブレフ、20連勝のメドベージェフに疲れが見える一方、19歳のシネル、17歳のアルカラス、ポーランドからフベルト・フルカチュ……大会を勝ち上がる空気の中で、徐々に流れも見えてきている。

■近すぎず遠すぎず

 もう一つ、昨年からコーチとして帯同するマックス・ミルヌイの存在も大きい。ミルヌイは身長196センチのサーブ&ボレーヤーで、ダブルスでの実績を持つ。錦織と極めて対照的な距離感が相性を生んでいるようだ。最初のコーチのダンテ・ボッティーニはジュニア時代からの関係で近すぎたし、マイケル・チャンは「為せば成る」の根性タイプで成熟した錦織には遠すぎた。43歳のミルヌイとは現役も微妙に重なっており、いま取り入れたいネットプレーのヒントもさりげなくもらえるだろう。男盛りに“さりげない関係”は居心地がいいものだ。すぐには勝敗に結びつかなくとも、面白い試合の先にタイトルも見えてくるだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭