ロッテ佐々木一軍デビュー クイックのことなど気にするな
ロッテ2年目の佐々木朗希(19)の一軍デビュー戦をじっくり見た。結果は、西武を相手に5回4失点だったが、大器の片鱗を感じさせるのに十分な内容だった。
190センチの長身からMAX163キロを投げる速球派。体とスピードに恵まれる投手は得てして制球に苦しむタイプが少なくないが、佐々木にその心配はまったくない。投球フォームも投げるボールも、むしろ「きれい過ぎる」というくらい癖がない。大谷翔平、藤浪晋太郎が剛腕なら、佐々木は快腕か。いずれにしろ、とんでもない可能性を秘めた逸材である。
その一方、西武戦では5盗塁を許した。評論家諸氏からは「クイックが課題」との指摘が散見されたが、右から左に聞き流しておけばいい。私が見る限り、クイックは十分に及第点レベル。一軍デビューの緊張感もあっただろう。その中で球界でも有数の西武の機動力が上回っただけで、「課題」とあげつらうほど悪くはなかった。
■ナゴヤドームのブルペンで…
あれは、昨年3月のことだった。中日とのオープン戦でロッテが名古屋に来た際、ナゴヤドームのブルペンでルーキー佐々木の投球練習を間近で見る機会を得た。傍らの井口監督に、「やっぱり、モノが違うね。こいつは、すごい」などと言いながら、「あとはクイックだけかな」と水を向けた。「いや、すでにできるんです」と井口監督からの説明に耳を傾けていた矢先、偶然にもマウンド上の佐々木がクイックで投げ出した。