旗手怜央 PLで甲子園準Vの父から強靭メンタルを引き継ぐ
J王者の一員にとっても、欧州で戦い続ける先輩アタッカー陣の一挙手一投足は眩しかった。
高校サッカーの名門・静学で世界基準を常に意識しながらテクニックを磨いてきた旗手は、早くその領域に到達したいと心底、感じたはず。
そのためにも五輪の大舞台に必ず立つ必要がある。
■SBからアタッカーまで万能型
U-24代表には中山雄太(ズウォレ)や板倉滉(フローニンゲン)のように守備のマルチタスクは何人かいるが、SBからアタッカーまでこなしてしまう万能型は、彼1人である。
そういう意味で希少価値なのは間違いない。ただ、全てのポジションに本職がいる。右MFであれば堂安律(ビーレフェルト)や久保建英(ヘタフェ)、左MFなら相馬勇紀(名古屋)や三笘。左SBは唯一、完全な本職はいないとはいえ、南アフリカ、メキシコ、フランスという本大会の対戦相手を考えると、日本は守備重視にならざるを得ない。
やや厳しい立場にいる旗手だが、持ち前の負けん気の強さで跳ね返していく覚悟だ。強靭なメンタルは元甲子園球児の父親譲りと言っていい。旗手の父・浩二さんは元PL学園のショートで清原和博、桑田真澄の1学年上。1984年の甲子園で春夏連続準優勝を経験している。