改めて意を強くする「投球フォームは投手の主張」である
東京五輪に臨む野球日本代表のメンバー24選手が発表された。
本来なら投手陣の柱となるソフトバンクの千賀滉大(28)が左足首の故障で代表漏れ。楽天の田中将大(32)、巨人の菅野智之(31)らも本調子とは言い難い。
中心となるのは、オリックスの山本由伸(22)だ。最多奪三振のタイトルを取った昨年に続き、今季も防御率2.08、93奪三振はパ1位。現時点での「日本球界ナンバーワン投手」という評価に異論はないだろう。
その一方、侍ジャパンのエースとなった今も、彼の投球フォームに懸念を抱く専門家が少なからずいる。いわく、「アーム式のあの投げ方は故障を招く」「いずれ肩や肘を痛める前にフォームを見直す余地がある」など。アーム式とは、打撃マシンのごとく、腕を伸ばしたまま投げることを言う。球界では昔から、アーム式の投手は長持ちしない、大成しないと信じられてきた。
■40年余で唯一投げ方を変えさせた
私に言わせれば、根拠のない俗説のようなものだが、そうやって投球フォームを矯正された投手が過去に何人もいたのは事実だ。確かに、山本は右肘を伸ばしたままテークバックしているように見える。が、球を投げる際に最も大事なのはトップの位置であって、そこに至る過程は、乱暴に言えばどうでもいい。