五輪中は真夏日続く「灼熱列島」に…マラソン・競歩はドーハの“二の舞”リタイア続出も
■危険な「暑さ指数」
競技時間中のおととしの同市内の「暑さ指数」は平均25.6度。昨年は21.9度だ。日本体育協会の〈熱中症予防のための運動指針〉によると、21~28度は「注意」「警戒」レベル。「死亡事故が発生する可能性」があり、「激しい運動では、30分おきぐらいに休息」が必要な環境である。
おととしの世界陸上ドーハ大会では、酷暑を考慮して深夜スタートだったにもかかわらず、女子マラソンや男子競歩でリタイアが続出。女子マラソンでは68人のうち28人の選手が脱水などの症状に襲われ、男子競歩では参加選手46人中28人しかゴールにたどり着けなかった。
「コロナ禍で見過ごされがちですが、そもそも、この時期に競技を実施するのが無謀なのです。札幌に競技場を移したからといって、暑さが解消されるわけではありません」(斎藤義雄氏)
〈アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候〉と偽って五輪を招致した日本。この暑さではドーハの二の舞いになりかねない。