パラリンピックが抱える「二面性」…コロナ感染爆発でも医療崩壊でも、やめるにやめられない
「健常者の大会を開催して、障がいを持っているアスリートの祭典を中止というのは、差別につながりかねない。パラリンピックはさまざまな障がいがあるアスリートたちが個性や能力を発揮できる場であり、中止すれば、障がいのある人が障がいのない人と同等に生活し、共にいきいきと活動できる社会を目指すという、ノーマライゼーションの理念にも反する」
さらに菅野氏は続ける。
「パラリンピックに出場する選手には、努力の成果を発揮するステージを与えてあげたいという思いはあります。一方で、コロナ感染の現状を見れば複雑な気持ちです。菅首相は『五輪と感染拡大は関係ない』と言っているが、オリンピック・パラリンピック、甲子園大会などのビッグイベントをやっていれば、外出していいだろうという気持ちになる。人流増を誘発していることは専門家も指摘していますから」
9日には事前合宿のため来日したガーナのパワーリフティング代表スタッフ1人の感染が成田空港の検疫で判明。陰性だった選手らは濃厚接触者かどうか判断されないまま合宿地の福島県へ移動していることも分かり、五輪で問題視されたことが早速繰り返されている。
パラリンピックは24日に開幕し、9月5日まで続く。その頃コロナ感染や医療現場はどうなっているだろうか。