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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

マラソン世界記録保持者キプチョゲの計算ずく五輪圧勝が象徴…日本と世界の「彼我のズレ」

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 今回は世界陸連のマラソンランキング(ハーフも含む)のトップ100から18人が参加し、トップ10の6人のうちの4人、トップ100では8人が途中棄権。ケニアと共にトップ100の8割を占めるエチオピア勢は全員が棄権だった。1カ国3人という出場枠があるにしろ、キプチョゲに一矢報いようとする選手は現れなかった。

■福岡国際マラソンも幕

 いまのマラソンはケニアを中心としたアフリカ勢の独壇場だ。世界のロードレースで稼ぐ彼らプロにとってコロナ禍のダメージは計り知れず、ワールドメジャー6を筆頭とした大会閉鎖の影響は東京の飲食店どころではない。日本の実業団に所属する選手以外、賞金も出場料も1セントも入らなくなった。一刻も早い大会再開を待ち望んできたのは自明の理だが、9月から、一斉にメジャー6が再開する。

 9月26日=ベルリンマラソン、10月3日=ロンドン、同10日=シカゴ、同11日=ボストン、同17日=東京、11月7日=ニューヨーク。市場競争が再び活気づく直前のオリンピック……キプチョゲはもちろんこの切実な現場を知っていた。そして、厚底ブームのシンボル的存在に金メダルというもうひとつの差別化を狙う絶好の機会でもあった。

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