日ハム新庄監督のキャンプは“促成栽培” 実戦に即した練習増で選手の意識ガラリ
「ブルペンでも自分が試合で投げているところを想像して取り組むことを心がけるようになりました。以前はピッチングの中で『良い球がいっているか、いないか』という単純なことしか考えていなかったけど、一球一球の意識が変わってきました。(今日は)頭の中で左の強打者、ソフトバンクの柳田さんをイメージしてやった」とはルーキーの長谷川威展(22)だ。
新庄監督のベースにあるのは、「ノーヒットで点を取る」に「守り勝つ野球」。
前出のOBは「こんなに実戦練習が多いのは『自分はこういう野球をやる』ということを選手に示して認識させるため。近年は守備がおろそかになっていて、それは数字にも表れている。守備や走塁を改善したいのでしょう」と言う。機動力と堅守は勝つために最も重要な部分だし、2つを磨くことが勝利への近道になると考えているのだろう。
日本ハムは昨シーズン中からオフにかけて中田翔、西川遥輝、大田泰示、秋吉亮と主力を大量に放出したようにチームは転換期にある。育成も含めてドラフトで獲得した13人中8人は高校生だし、新たな助っ人外国人はコロナの影響で入国が遅れ、期待はしても計算はできない。
厳しい現状の中、新庄監督はチームを再建して、なおかつ結果を出すことが求められている。そのためには現有戦力の底上げが急務だけに、キャンプ初日からカンフル剤を打ちまくっているようなのだ。