3位転落の巨人をジワリ蝕む“四球&一発病”…頼みの守護神・大勢の初黒星より実は深刻
■桑田コーチの「改革」でかえって悪化
今季、巨人の投手陣が与えた四球の数は132。リーグワースト2位の広島が94だから、断トツである。464与四球でワースト2位だった昨季の反省から、桑田投手チーフコーチが「制球力アップ」を掲げ、キャンプでは投本間を1、2メートル短くした距離で投球練習をさせるなど「改革」を行ったはずだった。高橋氏が続ける。
「その効果が見えないどころか、かえって悪化している印象です。まず、東京ドームという本塁打が出やすい球場で打線が恩恵を受ける(41本塁打でリーグトップ)一方、1、2戦に連続で村上に満塁本塁打を浴びたように、巨人の投手陣もよく打たれている(28本でリーグワースト2位タイ)。一発を打たれたくないから慎重になり過ぎてボールが先行する。2番目にエラーの多さも一因でしょう(27失策で同ワースト)。バックがこれだけポロポロやれば、投手陣はどうしたって打たせたくないと力むもの。さらに坂本、吉川が離脱している打線は明らかに迫力不足。点が入らないならと、こちらも投手陣が力む要因となっている」
チーム防御率も悪化し、下から2番目の3.56。3位に転落した「病巣」はジワジワと巨人をむしばんでいる。