巨人・大勢158キロ&変則フォーム誕生秘話 強靱な下半身は片道23キロのチャリ通学が生んだ
大勢(巨人 投手・22歳・関西国際大)
9日のヤクルト戦で、登板8試合目にしてプロ初勝利をマーク。1978年に角三男がマークした球団新人シーズン最多7セーブに早くも並んでいる。
スリークオーター気味の変則フォームから繰り出す最速158キロの剛速球が武器。新人ながら守護神を任されている。関西地区を担当するある球団のスカウトはこう言って唇を噛む。
「昨年春に右肘を疲労骨折したこともあって故障が多いイメージが拭えなかった。当時、阪神大学野球連盟はコロナ禍で公式戦もスカウトの入場を禁じていて、ドラフト直前の10月にようやく解禁。秋の公式戦を見られたのは、たったの1試合だった。球速があんなに出ると思わなかったし、もっとコントロールが悪いと見ていた。まともに投球をチェックできなかったこともあって、各球団が軒並み1位指名を回避する中、外れ1位で指名に踏み切った巨人のスカウトはあっぱれです」
並外れた球威は強靱な下半身のたまものだ。兵庫・多可町の自宅近くは電車が通っていないため、西脇工高までの片道23キロの道のりを自転車で通学した。「帰りは『上り』だから1時間以上かかります。練習後だから大変だったと思うけど、足腰は強くなったかもしれません」と父の八寿男さんは証言している。