女性暴行疑惑のサイ・ヤング賞右腕に2年間の出場停止処分を科した思惑
当初は球団幹部や指導者が白人によって占められ、アフリカ系アメリカ人が登用されていないという点が批判の対象だった。現在は人種的な多様性だけでなく、女性の起用という点でも取り組みが不十分という評価が与えられている。
例えば、北米のプロスポーツの多様性を評価するスポーツにおけるダイバーシティーと倫理機構(TIDES)の最新の評定をみると、大リーグの人種構成はNBAやNHLに比べて平均的ながら、女性の起用の点で低く評価されている。
大リーグ機構による独自の評価では、球界は人種の面でも性差の点でも高い水準で多様性を確保していることになっているとはいえ、自己申告ともいうべき機構の調査とTIDESのような独立した組織による検討の結果を比べれば、後者の信頼性が高いのは間違いない。
■不十分な女性の起用
こうした背景から、球界ではキム・アングが北米のプロスポーツ史上初の女性のゼネラルマネジャーに就任したり、レイチェル・バルコベックが球界初の女性監督、アリサ・ナッケンが大リーグで初めて一塁コーチを務めた女性となるなど、2020年から女性を球団幹部や指導者に登用する動きが進んでいる。