星野陸也に欲しいのは米ツアーで通用するドローボール 大洗GCのプレーを見て思った
先週の男子ツアー・アジアパシフィックオープン・ダイヤモンドカップは大洗ゴルフ倶楽部(茨城)で開催された。巨匠・井上誠一の最高傑作といわれているコースで、今年は7163ヤード・パー70。非常にタフなコースである。
「大洗にはバンカーが30個しかない」と言ったら「そんなに少ないの?」とビックリする人が多い。直径30センチ以上の黒松が約2万5400本もあるので、バンカーはあまり必要ないのだ。
コースの横を通る道路のすぐ下は太平洋。松林の上空は絶えず海からの風が舞っている。そのため密生する松は根元から曲がりくねって生えている。
松林に打ち込むと真っすぐグリーン方向に打ち出すことは不可能と言ってよい。いろんな方向に枝を伸ばしている松林が天然のハザードの役割をしているので、バンカーはたいして必要ないというわけだ。
昔、鬼才といわれた戸田藤一郎は「空にもOBがある」とよく言った。戸田と言えば「パンチショット」が有名であったが、そのことについて本人に取材すると、「ロフトを立てて風の下にボールを通してやるためだ」と言った。