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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

ウィンブルドンを沸かせた“天才不良少年”キリオスと、“国境なき”リバキナが示した新時代

公開日: 更新日:

 ウィンブルドンの男子決勝を見ながら、坂口安吾に「不良少年とキリスト」という作品があったことを思いだした。

 理路整然と自己主張するジョコビッチに挑戦したのは、目つき鋭いニック・キリオス。世界45位のオージーは半端ない不良少年、誰もが認める天才プレーヤーである。

 世界144位で推薦出場した2014年のウィンブルドンで、第1シードのナダルを倒して俄然注目された。類いまれなタッチ、常識外れのテクニック……決勝の第1セットにも見せたアンダーサーブや後ろ向きに股間から放つ“股抜きショット”など、珍プレーを超越する見応えある技でスタンドを魅了する。ただ、天才はそれで収まらない。

 腕を埋める入れ墨はさておき、口が悪い、態度が悪い、品がなく暴力的──過去には試合中に相手の恋人を侮辱、ラケットを折るどころか客と喧嘩して客席にベンチを投げ込んだり、今回も元恋人へのDV容疑で母国の警察から出頭を求められる中での快進撃だった。

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