荒汐部屋の跡継ぎを打診するも…蒼国来は一度「親方にはなりません」と断った
私としても渡りに船。もともと相撲協会の定年延長制度を利用するつもりはなかったので、すんなり「荒汐」を継承させることが決まりました。
■両親に直接報告するため出発
彼に継がせる前、私は2度目となる中国内モンゴルの旅に出ました。国籍を変更する事情もあり、蒼国来のご両親に話を通さないといけないと思ったからです。
そこで私は三段目の大青山を伴い、出発しました。彼も内モンゴル出身で、当時は荒汐部屋の研修生。お父さんが蒼国来のレスリング時代の先輩という関係です。日本の高校に3年間通い、日本語はペラペラなので通訳を兼ねた一時帰郷です。
初めて蒼国来のご両親にお会いし、事情を説明。「こういうわけなので、国籍を変えてもいいですか?」と聞くと、「あなたのことは信用していますし、オヤカタになれるなら国籍変更は全然構いません」とスムーズに話が進みました。慣れない日本語で「オヤカタ、オヤカタ」というのを聞いた私は、何か胸がじーんとしましたねえ……。